冬木

雫集う その時を待つ 冬木かな

昨夜から、静かに雨が降っていた。

12月の冷たい雨。

視野を広げると、

遠くに、近くに、クリスマスの電光が

滲んで輝いていた。

日の出が遅くなり、私の目覚めも遅くなっている。

カーテンを開けると、鉛色の世界が広がっていた。

冷たい雨が、乾いていた世界の景色を変えた。

換気をしたいところだけど、降り続いている雨を理由に、窓を開けるのはやめた。

寒い。空が重い。気分が重い。体が重い。

こんな日の活動性は低下してしまう。

家中のカーテンが開くたびに、

家の中にも朝がやってきた。

静かにゆっくり朝の行動した。

コーヒーを片手にふと一息ついた時、

雨は上がっていた。

空模様を覗きに窓辺に行くと、

葉を落とした姫コブシの小枝の先に雫が銀色に輝いていた。

その景色に誘われて、外に出た。

冷たいけれど、しっとりと柔らかい空気を感じた。

姫木蓮。ついこの間まで青々と葉が茂っていた雨の雫が、ゆっくり、集まって、

まあるくなって、大きくなって、

大地に引っ張られていく。

小枝の先に、蕾が小さく固くついていた。

そこに雫も集っていく。

葉を落としたばかり。

これから冬本番を迎える。

花咲く準備は出来ている。

♪目に映る 全てのものは メッセージ

丹田に力が入る。

全て必然。

感謝。

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